後遺障害の賠償金の仕組みは?

後遺障害の賠償金の仕組み

後遺症逸失利益の計算の基本
①基礎収入(年収)×②労働能力喪失率×③労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

①基礎収入

給与所得者は現在の収入をベースに計算されます。もっとも、給与所得者が20代前半など若年の場合などは、将来の昇給可能性等も考慮されます。自営業者の場合は、確定申告書をベースにします。学生、主婦などは賃金センサス等を考慮し、基礎収入を算定します。

②労働能力喪失率

後遺障害の等級によって、労働能力喪失率は異なります。もっとも、特に以下のような事案では労働能力喪失が争われやすいので、注意が必要です。
【実際に問題となりやすい事例】
外貌醜状痕…加害者側は業務への影響が生じず労働能力を喪失させるものではないと主張してくることが多いですが、被害者としては、職業選択の幅や人間関係・対外活動への積極性欠如等を根拠に慰謝料増額事由も併せて主張します。
脊柱・鎖骨の変形…加害者側は労働能力への影響を否定してくることが多いですが、被害者としては、脊柱や鎖骨の変形が現実の業務にどう支障を与えているかを詳細に主張していくことになります。
その他、嗅覚・味覚障害、歯牙障害(欠損)、下肢の短縮などについて逸失利益が争われることがあります。

③労働能力喪失期間

喪失期間は、症状固定時の年齢から67歳までの期間、労働能力を喪失したとされ、逸失利益が計算されます。
高齢者の場合は、平均余命等を参考に算定されます。
労働能力喪失期間が問題になりやすい事例としては、後遺障害が神経症状のみで、かつ、症状に他覚所見がない場合(14級・12級)については、実務上、14級は労働能力喪失期間を5年、12級は10年、と認定されることが多いと言えます。
もっとも、保険会社は、上記の期間制限よりもさらに短い労働能力喪失期間を主張することがあります。

後遺障害慰謝料について

1.保険会社の提示と裁判基準
等級自賠責基準裁判基準
第1級1,100万円2,800万円
第2級958万円2,370万円
第3級829万円1,990万円
第4級712万円1,670万円
第5級599万円1,400万円
第6級498万円1,180万円
第7級409万円1,000万円
第8級324万円830万円
第9級245万円690万円
第10級187万円550万円
第11級135万円420万円
第12級93万円290万円
第13級57万円180万円
第14級32万円110万円

保険会社は、上記自賠責基準に+αの金額で後遺障害慰謝料を提示してきます。
しかしながら、上の表のように、自賠責基準と裁判基準は大きく異なります。
弁護士は裁判基準で慰謝料を請求しますので、保険会社の提示から大きく増額させることができます。
適切な賠償を受けるためには弁護士に依頼することをお勧めします。

2.慰謝料増額事由

上記の表は、基本的な慰謝料金額となります。
事故態様や加害者の態度や故意過失内容(無免許運転,ひき逃げ,酒酔い,殊更な赤信号無視等)、不誠実な態度(救護しない,謝罪しない,虚偽ないし不合理な弁解等)がある場合は慰謝料増額事由として考慮もされます。
個別の事案ごとに具体的な事情の主張が必要になります。